折り紙で作れるものといえば、折り鶴と兜の2つしか思い浮かばないRESOBOX広報の末永です。今回は、世界に広がる日本文化「折り紙編」の第二弾として、よりハイレベルな折り紙技術の活用例をお伝えします。
物理学者&アーティストとして活躍するロバートさん
まずは、米国オハイオ州出身の物理学者、ロバート・J・ラングさん。彼は6歳の頃、紙1枚で何でも作れる折り紙に衝撃を受け、それ以降ファンになったのだそうです。ある日「折り紙のデザインに、数学が応用できるのでは?」と思い立ち、自身の折り紙の理論を確立。さまざまな物体の折り方を、コンピューターが自動的に設計するソフトを開発しました。その後も、折り紙理論の実用性を研究し、車のエアバッグ、体内に入れる医療機器、宇宙開発事業など、幅広い分野でコンサルタントもされているのだそう。
そんな彼は、折り紙アーティストとしても書籍を出すなど活躍。考案した新しいデザインは、花や虫など、なんと650種類以上に上るのだそうです。
宇宙工学から医療の分野まで
前述のとおり、折り紙の仕組みを工学や医療に応用する動きがあります。例えば、NASAの可変式のソーラーパネルや、体内で変容する小型医療機器などのアイデアも、折り紙が基になっているといわれています。
1970年に東京大学宇宙航空研究所(現・宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)の三浦公亮さん(現・東京大名誉教授)が考案した折り畳み方「ミウラ折り」は、人工衛星の太陽電池パネルの展開方法を研究する過程で誕生しました。身近なところでは、持ち運びやすさが求められる防災や観光用の地図にも使われています。皆さんも一度は手にしたことがあるかもしれませんね。
客観視こそイノベーションの第一歩
平面から立体的なものを生み出す折り紙は、組み合わせや工夫次第で、さまざまなものを創り出す可能性を秘めていました。
このように、日本では昔から当たり前のように存在し、子どもの遊具だったものが、世界では全く違う捉え方をされているケースは、他にもあります。
視野を広げ、客観的に鳥瞰してみることで、今まで見えていなかった何かに気付くこともあるでしょう。日本に留まらず、世界に視野を広げると、ビジネスのチャンスも無限大です。身近な日本の文化で「これは!」と思い立ったら是非教えてくださいね。