【日本文化探訪記】甲州ワイン(前編)醸造用の白ぶどう・千年の歴史(山梨県)

甲州ワイン

RESOBOXスタッフが日本の企業の素晴らしい技術や文化を紹介する本シリーズ。本編でご紹介するのは「甲州ワイン」。日本を代表するワイン銘醸地、山梨県甲州市へ行ってきました。

千年前から伝わる甲州ブドウ ぶどうを持つ薬師如来像も 

甲州ぶどうとは日本で最も広く栽培されている醸造用の白ぶどうで、日本ワインとして醸造されている品種です。その歴史は1000年以上と言われ、「ヨーロッパで生まれた欧州種がシルクロードを経由して中国に伝わり、中国種と交雑して、奈良時代から平安時代にかけて日本に伝わったのではないか」とされています。甲州市内にある大善寺は別名「ぶどう寺」と呼ばれ、ぶどうの房を持った、とても珍しい薬師如来像が安置されています。

甲州ワイン


山梨県は、日本全体の甲州ブドウの栽培面積の9割を占めています。高い山々に囲まれた同県は、雨雲ができにくく日照量が多いため、雨に弱いぶどうの生育には適しているそうです。そのほとんどがワイン醸造用として栽培され、この甲州ブドウで造られたワインを甲州ワインと呼びます。

明治初期に山梨で誕生

甲州ワインが造られ始めたのは明治時代初期。山梨県の新たな殖産興業としてワインが注目され、二人の青年がフランスで学んだワイン醸造技術を地元に広めたことをきっかけに発展したといわれています。
2010年にはワインの国際的審査機関「OIV」に登録され、日本固有品種の甲州種が、ワイン醸造用ぶどうとして初めて世界に認められました。これにより、ワインラベルにも「Koshu(甲州)」の文字で表記され、海外にも「甲州」の良さが、より伝わりやすくなりました。

市内にはさまざまな施設があり、甲州ワインのルーツを知ることができる施設「ぶどうの国」や「宮光園」があります。また、「勝沼図書館」では蔵書約12万冊のうち約3万冊がブドウとワインに関するもので、地域の特産であるブドウとワインの魅力を伝えています。山梨へ行かれた際には訪れて見てくださいね。

甲州ワインの後編の記事では、ワイナリー見学の様子を綴っています。ぜひご覧ください。

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