みなさんは「飾り巻き寿司」をご存知ですか? 簡単に言うと「巻き寿司」の進化版。巻き寿司と言えば、私も幼い頃に母と簀(すのこ)に海苔を敷き、酢飯や卵焼き、かんぴょうなどをのせて作ったものです。…が、最近は、どちらかというと「飾り巻き寿司」が話題です。 海苔に巻くご飯や具を工夫することで、切り口が花や動物の絵柄になってとても可愛いんですよ。日本では各地で教室が開かれたり、メディアで取り上げられたりと、年々人気が高まっています。
ワークショップは満員御礼の人気ぶり
実は、ここニューヨーク市内でも若い女性を中心に注目を集め、弊社RESOBOXで定期的に開催しているワークショップでも、満員御礼の人気ぶりです。毎月のように参加してくれるリピーターもいれば、カップルで参加するデート利用の方もおられます。
食品添加物は受け入れられない⁈
最近は開催するたびに人気の飾り巻き寿司教室ですが、実のところ始めた当初は、集客が伸び悩んでいました。その理由は、このカラフルでポップなカラー。カットした時に断面に現れるピンクや黄色の食材を見て、食品添加物による着色だと勘違いされ〝不健康〟なのでは? と避けられていたようです。
米国も日本と同様に健康志向が多数
「え。アメリカ人は、着色料いっぱいのカラフルなスイーツを食べているのでは?」と、思ってしまった人は私だけではないはず。もちろん、そういった人がいるのも事実ですが、近年は健康志向の人が多く、特に他国の文化に興味を持つような方は、それが当たり前と言っても過言ではありません。
その証拠に1、2回目は、参加者が少なかったこの教室ですが、3回目の募集の際に、告知文にの材料欄にビーツ(真っ赤な野菜)、黒ごま、卵など、使用する食材を表記し、「食品添加物は一切使用せず、食材の色を生かしている」こと明記したところ、一気に人気が高まりました。
「女性が食事を毎日作る」は日本人ならでは
また、その後も人気が持続している理由が手軽さです。食材を丁寧に刻んだり、煮込んだりする手間を掛けなくても、海苔に食材を並べ、クルリと巻くだけで、愛らしい図柄が完成! 料理初心者や不器用な人でも、愛嬌のある逸品を作れます。また、味もよほど変なものを巻かない限り、美味しく仕上がるのも嬉しいポイントですよね。
米国では、日本のように「女性は料理ができて当たり前」という風習自体がありません。多くの一般家庭において毎日食卓に母親の手作り料理が並ぶことは稀であり、必須スキルではないのです。
料理教室をクラフト感覚で満喫
日本人との違いを感じるポイントがもう一点。みなさん、どうやら「料理を学びたい」というより、「工作を楽しみたい」という理由から参加されてようなのです。というのも、普通の料理教室といえば、完成後はみんなでじっくりと味わい、感想を言い合ったりしますよね。しかし、飾り巻き寿司教室の場合は、数口食べたら「帰って誰かに見せよう♪」と、言わんばかりに、クルッとラップに包み、会話もそこそこに解散。これ流れは、まさにアートの教室と同様! 驚かされました。
思い込みはNG! 事前リサーチが大事
海外で事業を展開する際には、文化の違いや近年のトレンドをしっかりと把握しておく必要があります。「日本はこうだから」「こんなイメージがある」などの思い込みは絶対にNGです。しっかりと事前リサーチをした上で事業展開を考えてくださいね。
●「株式会社RESOBOX」は、日本文化と多文化が響き合い、新たな文化を創出するスペースをNY市内で展開しております。日本文化を核にしたパフォーマンスをアメリカで披露したいとお考えの方はご相談ください。また、上記のような文化事業に加え、海外進出支援サービスも行っております。マーケティングリサーチやイベント出店、米国に合わせた商品開発に関する相談はもちろん、NY在住のアーティストとのコラボレーション企画などもご提案できます。興味がある方はHPをご覧ください→ https://resocreate.com 。問い合わせはhttps://resocreate.com/contact/まで、気軽にお寄せください。