前回の記事で、愛知県食品輸出研究会がどのようなステップと審査を経て効果的な組織拡大・運営を行っているかをご紹介しました。今回は研究会の肝となる勉強会について、その興味深いコンテンツを会長の平松さんにお伺いしました。
2か月に一度の勉強会は、ゲストスピーカーによる勉強会や発表会から
毎回名古屋で開催されるという愛知県食品輸出研究会。計2時間半のプログラムは、前半1時間と後半1時間半に分けられます。まずは前半、研究会で取り組んだ事業の報告や打ち合わせを行った後、外部のスピーカーを招いてプレゼンを聞く時間です。スピーカーは輸出に関する専門家や業者、具体的には輸送会社や航空会社、貿易保険や損害保険、検査機関や国際規格の審査機関など。今後愛知と海外をつなげるプランや輸出の実務をアナウンスしてもらうことで、その周知を図ったり協力を仰いだりできるという点で、参加企業と双方に利点があるのです。中には領事や省庁の職員、金融機関も会議に参加することもあり、海外販路開拓に関するあらゆる情報が飛び交います。
後半は、会員企業の海外販路開拓体験をナマの声で
勉強会が終わった後は、各社の海外進出事業の報告会を行っているそうです。例えばある企業がアメリカ進出を行った場合、FDAから問い合わせの電話が来たらどうしたら良いのか等、経験談と実用的なアドバイスは多岐に渡ります。この他どのポイントで苦労したか、それをどのように突破したか、コストがいくらだった、具体的に何の費用がかさんだかなど、詳細を報告しあっています。このような他社の実体験から、これから海外進出をしようとする新規加入社はヒントを得て、自社の戦略に活かしているのです。また、現在検討中のプランを発表し、他社を巻き込むことも可能です。会員企業の発表の後、毎回15,6社ほど参加しているオブザーバー(見学者)が発言します。オブザーバーにとっては輸出に熱心な食品メーカーのニーズを探り今後のプランに活用するなど、下調べや意見集めの場としても重宝されており、この会の注目度と影響力の高さがうかがえます。
勉強会後は懇親会を開催
二時間半の勉強会が終わった後は、懇親会で参加者同士の仲を深めているのだそう。これにはオブザーバー企業も参加し、腹を割った打ち合わせをする貴重な場となっているそうです。なお、愛知県食品輸出研究会の会費は年間1万円で、主にウェブサイトの維持や通信連絡等に使われているとのこと。定例会の会場は海外進出支援団体の会場を借りられるため、この年会費で運営できているのです。各社のニーズを踏まえるだけでなく、外部とのコネクションを利用することで、海外進出の機会を最大化する勉強会となっていることが分かります。
愛知県食品輸出研究会の勉強会コンテンツ、いかがだったでしょうか?次回の記事は加盟企業が具体的にどのように海外進出を行ってきたか、その具体例をご紹介いたします。