トップシェフMichele氏とNYCのインフルエンサーに九州産食品をPR

トップシェフMICHELE氏

今回は5月6日①ミシュラン星シェフ ジョージ・メンデス氏とのイベント、19日②NY界におけるサステナブルの先駆者Jehangir Mehta氏とのイベントに引き続き、NYの有名シェフによる九州の食材を使用したクッキングイベントの三回目について書きます。

本プロジェクトは米国市場に九州産食品を売り込むことが目的。クライアントである九州貿易振興協議会から依頼を受け、弊社RESOBOXで3回に渡り実施しました。

今回は、Michele Casadei Massariシェフを迎えての開催。レストラン・小売店レビューサイト大手のYelp社認定のインフルエンサー30名に向け、オンラインイベントで商品をPRし、米国でのファンや認知度を高めました。

同名のポッドキャスト番組では、今回ブログで綴る内容をより詳しく解説しています。米国に自社商品を輸出したいという方はもちろん、料理に興味のある方もぜひ聞いてみてくださいね。

Michele Casadei Massar1

NYのトップシェフMichele Casadei Massari氏とは

ニューヨークのレストラン業界で知らない人はいない、イタリアのボローニャ出身の凄腕シェフ・Michele Casadei Massari氏。NY市内の一等地にある人気イタリアンレストラン「Lucciola」のオーナー兼エグゼクティブシェフです。また、フェラーリなどの有名ブランドのシェフとしても活躍。

ここニューヨークは様々な分野でトップを走る方々が集う都市ですが、Michele氏はまさにその一人。一流レストランのシェフである傍ら、プロカメラマンやプロミュージシャンとしても第一線で活躍。さらに、人懐っこい人柄で多くの著名人に親しまれ、さまざまなイタリア企業からNYでのPRを依頼され、多忙な毎日を送られています。また、10年ほど前ですが、あるフードプロジェクトに関わるため東京に数カ月間滞在し、日本通でもあります。

さて、 そんなシェフMicheleさんが、今回のイベントのために選んだ商品を紹介していきます。

朝倉物産(福岡県)の「朝倉農園よりねぎドレッシング」

高品質なネギのうま味が凝縮

 Jehangir Mehtaシェフのイベントでも採用された、高品質なネギを提供する福岡県のメーカー。Micheleシェフが選んだ商品は代表商品である「朝倉農園よりねぎドレッシング」です。今回、Michele氏が自ら「一緒に仕事をしたい」と申し出た商品は同社のみ。ネギの質がとても高いと高評価でした。

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米国においてドレッシングはレッドオーシャン状態

米国のドレッシング業界はレッドオーシャン化しており、KeyfoodやC-townなど米国の一般向けスーパーではどの店舗でも数十から時に百種を越えるドレッシングが並んでいます。価格競争も厳しく、国内生産メーカーでないと利益を確保することが難しくなっています。

ただ、あるNYのスーパーのバイヤーから話を伺ったところ、どのメーカーも似た味を出していて、見た目も味もバラエティーに欠ける印象があるとのこと。確かに、どのメーカーも揃ってフレンチ、シーザー、ブルーチーズ、イタリアンなどの定番を出しており、稀に、ワサビ味などが変化球としてあるかなという程度。パッケージも、ボトルのサイズとデザインが似通っていたり、値段もかなり近いものが多く、差別化がしにくい状況が伺えます。 

このような中、一般消費者だけでなく、例えば今回のオンラインクッキングイベントに参加してくださったGeorge, Michele, Jehangirなど食の業界に影響力のあるシェフを雇い、付加価値を付け、競争に巻き込まれない異なるポジショニングをしていくことで、勝機は見えてくると予想されます。

また、自社のみならず、周辺の農家など同メーカーの本社がある朝倉市のPRも含めてストーリーを作り売り出していきたいという同社営業担当者の考え方は、私が米国に進出するメーカー各社に期待するところにも合致し、今後の展開を大いに期待しています。

また、雑感にはなりますが、ここ数年様々なシェフや飲食業界の方と話す中で、海苔単体、また海苔入りの商品について興味持つ方がとても多いという印象。日本には多くの種類の高品質な海苔がありますが、米国の消費者や、プロのシェフに至ってもそれらの違い(海外製との比較も)をきちんと理解されている方は少数なので、展開の余地があり、是非弊社でも米国でのPRを手掛けたいと思っております。

ファインドニューズ(大分県)の「フレッシュバジルソース」

素材が生きた極上ソース

自社レストランではイタリアから仕入れたバジルを使っているMicheleシェフ。しかし、バジルは季節的な商品なため、時に手に入りにくい時期があるとのこと。そんな時、この「フレッシュバジルソース」ならば最高品質のものを年中使用でき、その利便性が素晴らしいと話されていました。

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バジルは熱帯原産で寒さに弱いため10度以下での保存は不可。その反面、暑さには強く、40度を超えても大丈夫という性質があり、品質は温度にかなり左右されます。そして適正な温度でないと、変色し使えなくなるという敏感な面も。

歴史的にアメリカにはイタリア系移民が多く、全米中に高品質なバジル商品を扱うイタリア食品商社が多くあるため、そちらへの売り込みを行ったらどうだろうかとのシェフの提案がありました。

欧米向けには、弊社のオンラインサイトでも販売しています。

横福(鹿児島県)の 「塩麴ニンニク」

 さまざまな食材と相性抜群 栄養豊富な万能調味料

米国における「麹」の存在は、プロのシェフだけでなく一般消費者の中でも認識され始めてきましたが、やはり一般的に手間のかかる料理を得意としないアメリカ人には、調理前に漬けておくというプロセスや、時間をかけてどのような効果が得られるかを理解して頂くには更なる宣伝活動が必要というのが現状です。そこで、今回のイベントでMicheleシェフは、横福の「塩麹ニンニク」を調味料として使うことに。

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さらにMicheleシェフから、塩麹ニンニクがあまりに多種多様な食材と合うため、「〝Koji〟ではなく〝マジックシーズニング〟という商品名にしてPRするのはどうか 」「ニンニクとの相性の良い、アラブ料理のフムスのバリエーションとして使えるか」など、興味深いアイデアを出していただきました。

また最近、彼の周囲でも、高品質の黒ニンニクを探しているシェフがいるとのこと。同社は純鹿児島産の黒ニンニク商品を多く手がけているので、世界中からニューヨークに集まる他の黒ニンニクと、栄養価、例えばアルギニンやポリフェノールの含有量や味など比較をし、横福の高品質の黒ニンニクをアピールをすると面白い展開になるのでは?と心弾みました。

エン・インターナショナル(山口県)の甘酒ドリンク

ヘルシーで新しい! 汎用性が魅力

今回Micheleシェフにとって、甘酒は始めて使用する食材だったとのことですが、サンプル試食をした当初から強い興味を示されていました。米国では甘酒はまだドリンクとしての認知度はほぼ無いため、今回のイベントではスイーツにして提供して頂きました。

Michele Casadei Massar5

実はこの「甘酒」、マーケティングの上で、幅広い特徴を兼ね揃えているため、どのような特徴を前面に出して消費者に魅力を伝え、シェフやリテールに売っていくのかは弊社としても頭を悩ませるところ。

しかし、米国マーケットにおいて甘酒がどのカテゴリーに入るのか改めて考えたところ、「エナジードリンク」という扱いができるのでは?と感じました。しかも、「Red Bull」のような完成された商品というより、汎用性が高い一つの素材として活用ができるので、他の料理との連携やスムージーに入れるなど、幅広い用途を想定して営業すると、商品としての展開が開けるかもしれません。特に同社の商品は無添加で、ターゲット層が見えやすいのも利点。昨年私が同社の甘酒をマンハッタンの高級スーパーに売り込んだ際には店頭販売しようとバイヤーと合意に達しましたが、コロナの影響で残念ながら保留になってしまったため、今年末か来年には実現させる方向で動いています。

ただ、やはり甘酒とは何かという啓蒙活動は、米国において長期的な視点で取り組んでいくべきだと感じています。日本で甘酒を生産しているメーカーが何社も協力し米国向け甘酒PR団体を作り、一丸となって進められたら素晴らしいのですが、いかがでしょうか。

ニューヨーカー向け食材のポイントは、シンプルさと汎用性

今回の過去3回にわたるイベントで各シェフと重視したポイントは、「特定の国籍の料理に寄りすぎず、各商品の汎用性の高さを示すこと」。主にニューヨーク在住の食通は、特定の国籍の料理に特化するのではなく、世界中の多様な料理を好むことが分かっているため、日本食材の幅広い利用シーンを知ってもらうことが今後、米国進出する際に大切なポイントになってきます。

そのため今回のプロジェクトでは、各シェフに取り上げる食材を日本食というカテゴリーでのみ紹介せず、各商品の特徴をユニバーサルに捉え、様々なシチュエーションで使えることを見せるメニュー構成を考えてもらいました。また、各商品の質の高さ、汎用性の高さを伝えるため、あまり多くの食材を使った複雑な料理にせず、一般消費者でも簡単に作れるレシピを依頼しました。

ちなみに、Michele氏のレストランはイタリアンですが、食材に宮崎産の和牛を使用しているということで、先週から一緒に和牛プロジェクトを始めています。日本食以外でも様々なシーンで使われている和牛。今後世界中での更なる広がりが期待できる日本が誇る食材の一つです。こちらも機会があればブログに書こうと思っています。

 最後に、今回のイベントの参加者について

レストラン・小売店レビューサイト大手のYelp社より、同社が認定したインフルエンサーであるYelp Elite30名に限定し招待。その他、Yelp社幹部二名、メーカー関係者が参加。 数名のYelp Eliteからのイベントのフィードバックはこちらのページに書き込まれています。ほぼ全ての参加者が満点の5点を付けており、満足度の高いイベントであったことが伺えます。

また、参加者のEliteの中には以下のように、各社から提供されたサンプルを使い料理をしたブログを書かれている方もいらっしゃいました。イベントの様子も是非ご覧ください。

各参加メーカーやシェフ、また我々主催者自身も、日本食材の多様な可能性を発見するきっかけとなる有意義なオンラインイベントとなりましたので、同様の試みは今後も続けて行けたらと思っています。