NYで日本茶専門店を営むアメリカ人に直撃。品質保証!日本農家と直接契約 


「kettl」はブルックリンに実店舗も持つ、ニューヨーク発祥のお茶のブランドです。日本の茶農家と直接契約し毎週フレッシュなお茶を日本から輸入、販売しています。今回はCEOのザックマンガン氏に今に至るまでの道のり、今後の展開についてインタビューさせていただきました。

毎週日本から直送されるお茶

お茶のビジネスを始めようと思ったきっかけは?

日本で飲んだお茶のフレッシュさに感動した経験

社会人になる前からペットボトルのお茶をよく飲んでいて、好きが高じてお茶メーカーに入社しました。この仕事のおかげで様々な人に出会い、奥深い日本茶の世界により一層興味を持つようになりました。ただ、2013年に会社がニューヨークのオフィスをクローズすることになり、それをきっかけに日本のお茶農家さんを自分の足で訪ねる旅に出ました。日本で飲んだお茶はこれまでに飲んだことのないフレッシュさでとても感動しました。そこで「このフレッシュなお茶をニューヨークでも再現しよう!」と自分でお茶のビジネスを立ち上げることを決断したのです。

kettlでは丁寧にキュレーションされた茶器も並んでいる

ビジネス立ち上げで一番大変だったことは?

日本の茶農家との関係構築

いざビジネスを立ち上げようとした時、地元の人でない私が信頼を得ることには時間がかかりました。彼らとの対話から日本の茶農家が僕らと国際取引をすることのハードルの高さに気付きました。そこで福岡に輸出会社も立ち上げ、そこで日本の茶農家と国内取引を行うことにしました。このように日本のパートナーとともに現在のビジネススキームを築きあげるまでに約2年を要しましたね。ただ、この過程があったからこそ今のkettlが成り立っているのだと感じています。海外で別の国の文化を生かした商品、ブランドを立ち上げる際に重要なことは、信頼できるパートナーが両方の土地にいることではないかと感じています。茶農家との関係維持、向上は、今後も我々の課題です。

茶摘みをするお茶農家さん

実店舗、オンラインショップでの販売に止まらず、ワークショップなども開催されていますね。ターゲットは?

定めず、幅広く展開。

商品が安価ではないため、購入者はそれなりの収入がある方、といったイメージがあります。ただ、いろんな人にお茶の世界を知ってもらいたいと思っているので特にターゲットは定めていません。実際に私たちのお客様はオンラインでフレッシュなお茶を求めて弊社にたどり着く人もいれば来店がきっかけで我々を知る方もいます。また、創業当時シェフ・デイビットにお店でお茶を使ってもらったことからシェフの間にもネットワークがあるので常に新しいものを探しているシェフが人ずてで僕らに問い合わせてくるケースもあります。シェフとのコラボイベントや他の業界のプロと一緒にイベントも行うこともあるため、それがきっかけでファンになってくれる方もいらっしゃいますね。どんなお客様にも提供できる企業を目指しています。

マンハッタンにある懐石レストランBrushstrokeのシェフ山田氏とのコラボイベント

今後の展開はどのように考えていますか?

より多くの人がお茶を楽しむ機会を作りたい

もちろん日本茶を一度は飲んだことがあるという人も多いのですが、一度も口にしたことがないという方は多くいらっしゃいます。そこで私たちは今リーチできている方々だけではなく、よりお客様の層を広げたいと思っています。実は8月中旬、マンハッタンに小さなテイクアウト専用の抹茶バーをオープン予定です。「家でお茶を入れることはない」という方にもぜひお茶の魅力を感じてもらいたいと願っています。

新店舗では様々なテイクアウトドリンクが通年楽しめるとのこと。
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