郷土玩具のおもしろさ 風土や歴史と共に伝える  -「山響屋」店主 瀬川 信太郎さん編-


アーティストや企業担当者をRESOBOXスタッフが取材し、思いを語っていただく「インタビュー」シリーズ。第八回目は福岡市で郷土玩具・民芸品店を営む「山響屋」の店主、瀬川信太郎さんです。

Q.郷土玩具や民芸品とはそもそも何?
A.土地の特色表すおもちゃや日用品

郷土玩具とは、木材で作った型に和紙を何層も貼り付け、乾燥後に色付けしていく張り子をはじめ、こけし、土鈴などのことです。古来から信仰や土地に暮らす子供のために作られたといわれていて、動物をモチーフにしたものが多くあります。最も盛んだったのは戦が少なく平和だった江戸時代ごろです。また、民芸品はその地域の風習に合わせて生まれた日常品。使い勝手が良く、素朴な美しさを持っていると自分は感じています。

Q.瀬川さんは達磨絵師としても活動されていますが、その経緯は?
A.絵が好きだったこと。そしてご縁から

大阪の日本海洋科学専門学校を卒業後、雑貨店のバイヤーとして国内外で働いていました。昔から絵を描くのが好きで、働きながら知人を通してフライヤーやTシャツのデザインの依頼を受けていたんです。ある時、縁起物にアートを施すグループ「うたげや」(大阪)の方に、自分の達磨を作ってもらおうと訪ねたことをきっかけに、「描いてみたら?」と声を掛けてもらい「うたげや」に加入。達磨絵師としても活動するようになりました。

Q.「山響屋」のこだわりは?
A.作家の思いや各地の文化を商品と共に伝える

友人に連れて行ってもらった「郷土玩具平田」(京都)でみつけた「鴨方土人形」(旧・ 江口土人形)の「招き福助」に惹かれ、興味を持ちました。「どんな歴史を持っているのか」「どこで作られているのか」と興味が湧き、産地である岡山県浅口市鴨方町にも行ってきました。この出来事をきっかけに、郷土玩具も集めるようになりました。

その後、2015年に福岡市で「山響屋」を開店。昔から店を持つことは夢でしたし、「やるならば自分の好きなことを」と考えていたので現在の業態になりました。店内には1000点以上の作品が並んでいます。どの作品の産地にも必ず足を運び、作家の思いや商品の由来、土地の歴史・文化などを聞いたり感じたりして、お客さんに伝えるのがこだわりです。

Q.「作家の想いを、お客さんに繋ぐ」郷土玩具の伝道師ですね。売るだけではなく伝える理由は?
A.郷土玩具の盛り上がりと今後の発展に貢献したい

「知ってもらいたい」という思いが一番です。現代社会において郷土玩具は、普通に生活していると出合わないものになっており、需要も年々減っています。また、家内工業が中心のため、後継者不足で次世代の担い手が少ないのが現状です。
山響屋は「自分の地元にこんなおもしろい文化があったんだ」と知ってもらう場になれたら良いですね。そこからさらに「残していきたい」「盛り上げたい」と人が動き、文化が引き継がれると嬉しいです。

NYでの展示の様子

Q.やりがいを感じる瞬間は?
A.お客さんの反応 広がる需要の実感

お客さんに「可愛い!」と喜んでもらった時。また、プレゼントの選択肢として、花やお菓子と並べてくれる人が増えていることです。開店から4年が経ち、年間30回程度の出張イベントや個展なども各地で開催。今年9月には海外での初個展としてアメリカNYのギャラリーRESOBOXでも「ENGIMONO展」と題した展示を行い、渡米してきました。

RESOBOXでの展示告知

次の目標は、商品が増えて少し手狭になってきた店舗を広くすること。お客さんとゆっくり話ができたり、コレクターの人たちが語り合ったり、郷土玩具の輪が広がる場を作りたいと考えています。

NYで達磨の展示を開催
NY展示・オープニングレセプションでの一枚

【教えてくれた人】「山響屋」店主・瀬川信太郎さん
せがわ・しんたろう 1984年、長崎県生まれ。大阪の専門学校を卒業後、2008年に同府で雑貨店に就職。同時期に達磨の絵師としての活動もスタートする。15年4月に「山響屋」を福岡市で開店。全日本ダルマ研究会・全日本郷土玩具の会の会員

・山響屋さんのHP http://yamabikoya.info/
・ENGIMONO展の英語ページ https://resobox.com/exhibition/engimono/

●「株式会社RESOBOX」はニューヨークを拠点に、今回ご紹介した展示などバラエティーに富んだ文化事業と、幅広い企業を対象にした海外進出支援サービスを展開しております。問い合わせなど、詳しくはHPをご覧ください→https://resocreate.com