−折り紙デザイナー・アーティストTalo Kawasaki さん編−①手品のような折り紙 米国から世界に向けて紹介


海外で挑戦する方々をRESOBOXスタッフがインタビューする「海外挑戦者インタビュー」シリーズ。これまでの連載では、海外へ挑戦する日本人を紹介してきましたが、第三回目となる今回の主役は、米国で生まれ育ったニューヨーカーTalo Kawasakiさん(以下タロウさん)。日系2世のタロウさんは、折り紙デザイナー、アーティストとして、日本の伝統的な遊びである折り紙の魅力を発信されています。

Q1・日本の名前ですが、出身はどこですか。また、折り紙との出合いは?
A・生まれ育ったニューオーリンズで、10歳の時に父親から伝授

私は日本人の両親の元、ニューオーリンズで生まれた日系2世です。ニューオーリンズは日本人が少ない地域でしたし、両親から習う機会がなかったため、日本語は話すことができないんです。
折り紙との出合いは、10歳の時。父が「鶴」の作り方を教えてくれたことが切っ掛けです。正方形の一枚の紙から芸術品が生まれる様子はまるで手品のようで、「なんて素晴らしいことなんだ!」と感激したことを今も覚えています。
折ることで彫刻的なものを作りあげたり、自由自在に変化したりする「折り紙」は、素晴らしい日本の文化です。日本には、古来から和紙などさまざまな紙が存在することからも分かるように「紙」の存在感は絶大です。それが徐々に発展し、現在の形になったのでしょう。
現代人が「科学的なテクノロジー」をこよなく愛する一方で、私は「触感や匂いを感じ取れる折り紙」への愛が深まるばかりです。

Q2・折り紙の進化についてどう思われますか?
A・今まさに黄金期。未来に伝承すべき日本文化

折り紙が世界的に普及したのは、日本の創作折り紙の第一人者であり、折り紙の父と呼ばれている、故・吉澤章さん(1911ー2005年)が新たなトレンドを創出したからです。
彼が登場するまで、折り紙といえば「鶴」「カブト」など、ある程度決まったものを作るための存在でした。しかし彼は、38年ごろから折り紙の研究を重ね、折るという技術を工学や機械、教育など多種多様な場面で活用する基盤を作りました。
そして今、折り紙は世界的に普及し、まさに黄金世代を迎えています。世界中に存在する私のような折り紙アーティストは、成長と革新の中心的な存在として、「折ること」をより多くの人へ広げ、未来へ繋げる役割を担う存在でありたいですね。

Q3・アーティストとしての活動内容を教えてください
A・オーダー商品の制作 舞台衣装の制作にも挑戦中!

サイズや素材の異なるものを折ったり、ペイントしたり…。自分の成長のため、さまざまなことに挑戦しています。仕事の内容も多岐に渡ります。例えば、折り方の設計図も作りますし、巨大なクリスマスツリーやトロフィーなどのオーダーにも応じています。
今、取り組んでいる仕事は、振付師にオーダーを受けた人間サイズの作品作り。年末にアメリカとドイツでダンサーが着用して舞台に立ちます。私としても新たな挑戦ですし、特別な仕事ですね。

折り紙で制作したトロフィー

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<編集後記>

「折り紙」が世界でこんなにも広がっていただなんて驚きますよね。ニューヨークには、世界19カ国に1600人以上のメンバーがいる「Origami USA(オリガミ・ユーエスエー)」という折り紙愛好団体もあり、タロウさんもそのメンバーなんですよ。連載2回目はタロウさんがニューヨークで開催した折り紙の個展について紹介します。

●「株式会社RESOBOX」は、日本文化と多文化が響き合い、新たな文化を創出するスペースをNY市内で展開しております。日本文化を核にしたパフォーマンスをアメリカで披露したいとお考えの方はご相談ください。また、上記のような文化事業に加え、海外進出支援サービスも行っております。マーケティングリサーチやイベント出店、米国に合わせた商品開発に関する相談はもちろん、NY在住のアーティストとのコラボレーション企画などもご提案できます。興味がある方はHPをご覧ください→ https://resocreate.com 。問い合わせはhttps://resocreate.com/contact/まで、気軽にお寄せください。

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