「オリニギリ」という言葉を聞いたことがありますか。「おりがみ」の技法で手軽に「おにぎり」を作り、参加者みんなで食べるワークショップです。東京オリンピックに向け、「おりがみ」と「おにぎり」という二つの日本文化を国内外で発信しようと、日本の建築設計事務所「向日葵設計」のデザイナー新田知夫さん(東京都)が考案。美しい山型のおにぎりが簡単に作れると、ジワジワと人気が上昇中。2016年には日本デザイン振興会(東京)が選出する「グッドデザイン賞」も受賞しました。
ニューヨークで月1回のおにぎり作り
さて、このオリニギリですが、日本各地ではもちろんのこと、米国やタイ、インドなどでもワークショップが実施され、世界各地で人気が広がりつつあります。そして2018年2月、NYの弊社ギャラリーでも「第1回オリニギリ・ワークショップ」を実施しました。老若男女、さまざまな人種の人たちが一つのテーブルを囲んでおにぎりを作り、日本の文化に触れるひと時を過ごしました。好評につき、毎月1回、テーマを変えながら開催することが決まりました。
ワークショップで楽しく! 「共有」が成功の鍵
オリニギリの良さはワークショップを開き、みんなで楽しめること。人は作ったものを他人と共有したい欲求があります。「作る」「学ぶ」「食べる」という事柄を、参加者皆で共有できる「ワークショップ形式」にしたことが、成功の一つのポイントです。また、バリエーションの多さも強みにつながります。RESOBOXで開催する「オリニギリ・ワークショップ」では、「お米の魅力」「日本の人気キャラクター」など、ニューヨーカーに響くテーマを毎回設定。幅広い人たちに興味関心を持ってもらうためのアイデアを盛り込みながら開催しています。そんな工夫の一つがコラボレーション。日本のさまざまな企業様や団体と共同で、日本の文化をニューヨーカーに届けています。これまでに日本茶の老舗「一保堂」、大手米穀メーカー「東洋ライス」、ブルックリンの有名日本食レストラン「Osakana」、開発途上国の飢餓問題などに取り組む「Table for two」などと連携しました。さらに、弊社スペースだけに留まらず、NY市内の公立小学校での食育イベントなどにも参画しています。
さまざまなアイデアを盛り込み「継続」させよう
新天地で何かを広げるには、一度きりのイベントを開催するのではなく、長期的な目線で継続することが大切です。そうすることで知名度や信頼度が高まり、現地の日常に少しずつ根付いていくものです。それには、お客さまに飽きられないよう、さまざまなアイデアやバリエーションを持つことは大事ですよね。成功した事案の中には、たくさんのヒントがあります。読み解く力をつけ、成功への一歩を探りましょう。