前回の記事で、人種の違いにより考慮しなければならない点についてご説明しました。今回は、人種の違いとも関わる「骨格や体形の違いについて」。商材ごとに注意点を見ていきます。
ファッションや服飾品の場合
骨格や体型の違いの影響を最も受ける分野と言っても過言ではありません。例えばユニクロでは、日本向けとアメリカ向けではサイズ展開を大きく変えています。日本ではパンツの裾を切る必要がなかった人が、ウエストサイズだけを頼りにアメリカのユニクロでパンツを買うと痛い目を見るというのが往々にして起こるのです。靴のサイズも、かなり大きいサイズまで用意した方が良い事もあります。服や靴だけではありません。例えば斜めがけバッグを例にとっても、そのストラップの長さや幅は、どんな体型の人をターゲットにするかで大きく異なるはずです。日本ではいわゆる標準サイズで作れば問題がなかったものも、アメリカでは事情が違うということを気に留めておいてください。
コップや椅子など日常雑貨の場合
サイズに気を付けるべきものは、身に着けるものだけではありません。例えば湯飲み。日本人の手にちょうどフィットするサイズは、アメリカ人の多くにとっては小さすぎる場合が多々あります。手に持って使うすべての商品は、ターゲットにとって使いやすい大きさになっているか、商品化する前に必ず確認するようにしましょう。またアメリカでは単に骨格が大きいだけでなく、恰幅がかなり立派な人もたくさんいるので、椅子の大きさ等にも注意が必要です。どんなに素晴らしい商品でも、サイズが合わなくて使えない、使い心地が悪いとなってはあまりにも勿体ないのです。
食品の場合
アメリカ人の立派な体格を作る、食べ物。1人前あたりの量はポーションと呼ばれますが、日本の感覚とは違うと考えてください。アメリカ旅行でハンバーガーなどを注文し、その量の多さに驚いたことがある人もいるかもしれません。体格が良いアメリカ人にとっては、このくらいの量が必要なのです。もちろんすべてが量が多いというわけではなく、カフェなどに行くと日本人女性の腹八分目くらいの量が出てくることもあります。各店、ターゲットとしている顧客に合わせて量を調整しているのです。このため気を付けるべきは、例えば自社商品を使ったレシピなどを紹介するときに、日本人の感覚でなんとなく1人前の量を決めないことです。余談ですが、大量の料理を出す店に行った際、すべて食べきれなくてもアメリカでは大抵残りを持ち帰ることができます。日本では食中毒等を懸念して断られることが多いですが、アメリカはさすが自己責任の国なんですね。有名ステーキ店でも頼めば専用の箱に詰めてくれますので、ぜひお試しを。
アメリカ人ターゲティングの際の注意点として、ふたつご紹介してきました。最後となる次回は、世代の考え方の違いについてご紹介します。