日本食材使いNYの有名シェフと米国人に響く料理を考案!

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本日のTOPIC
NYCの有名シェフとオンライン料理イベントを開催
ごま、味噌、柑橘「ゆうこう」の反響は?

弊社RESOBOXでは、九州各県と山口県の食品メーカー10社の商品を取り上げたオンライン料理イベントを3月下旬に開催しました。本プロジェクトのクライアントは、九州貿易振興協議会。対象地域の中小企業の海外進出をサポートされています。
こちらのプロジェクトは長期に渡るもので、オンライン商談会等も実施したので、興味のある方は、こちらのブログをご覧ください。

George Mendes

また、今回紹介するイベントは、弊社がNYの有名シェフ三名と協力し、アメリカ人好みのメニュー作りを実施。完成したレシピを「オンライン料理教室」で公開し、リアルタイムで参加者の声を収集しました。本ブログから全3回に渡って「オンライン料理教室」の模様や、シェフ、メーカーの紹介、取り上げられた食材の米国におけるポテンシャルについてお話します(2回目「NY料理界におけるサステナブルの先駆者Jehangir Mehta氏とトップシェフの卵にレシピ紹介」、3回目「トップシェフMichele氏とNYCのインフルエンサーに九州産食品をPR」はこちらの記事をご覧ください)。ポッドキャスト番組もぜひ合わせて聞いてみてください。 以下がリンクです(本ブログの内容は13:51~)。

【シェフ1】ミシュラン星シェフ ジョージ・メンデス氏
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ごま・味噌・ゆうこうドレッシング

初回で紹介するシェフはミシュラン星を獲得したGeorge Mendes(ジョージ・メンデス)氏。実施した「オンライン料理教室」には、「Aldea」勤務時代の食関係者(卸業者など)や、ロイヤルカスタマーら約50名を招待し、大盛況となりました。イベントの最中にも「そのごまはどこで買えるの?」など、多くの質問が寄せられ、その場で多数ご購入いただいたほど。「ジョージ氏が推薦する商材なら間違いないだろう!」という消費者の思いが伝わってまいりました。イベントの様子の一部はYouTubeでご覧頂けますので、是非ご視聴ください。

さて、ブログでは、彼のプロフィールや食材の可能性について主に紹介します。

シェフ・George Mendes(ジョージ・メンデス)とは

NYCの人気店ポルトガルフュージョンレストラン「Aldea(アルデア)」(2020年2月に閉店)のオーナー兼エグゼクティブシェフ。料理の腕やアイデアが評価され、メディアにも引っ張りだこの有名人。

まず今回イベントを行うにあたり、日本の関係者の方々から、「ジョージ氏はご自身のレストランを閉じられていますが、もう食ビジネスとは関わらないんですか?」と質問を何度か受けました。

シェフにとって経営・勤務するレストランはご自身の腕を見せる重要な場ではありますが、ジョージ氏や今回同イベントにご協力頂いたその他二名のシェフなど世界レベルの方になりますと、レストランでの業務以外のプロジェクト、例えばレシピ本の執筆や、テレビ出演、企業案件(特定商材のPRイベント)、中小レストランのメニュー開発、富裕層向けプライベートシェフなど、様々な仕事で多忙であることが一般的です。実際にジョージ氏も今回、数多くのプロジェクトの合間を縫って担当してくれました。

彼がレストランAldeaを閉じた際には多くのファンから驚きの声が上がり、全米で有数の食メディアであるEater紙にて以下のような特集が組まれたほど。

Why George Mendes Closed Aldea(なぜジョージ・メンデスはAldeaを閉じたのか)

興味のある方は是非お読み頂けたらと思いますが、この記事の内容に加え、僕が実際に彼とイベント企画の際に色々と話していく中で、ざっくりと以下のような理由であったようです。

1. ポルトガル料理以外、新しい料理にも挑戦したくなった
例えば発酵食品に興味がある、特に自ら味噌を自宅で作っているくらい味噌は大好き。そのほかにも色々な食品を使ってみたい。

2. ゼロから始めたレストランが次第に有名になり、ビジネスとしてお客さんの要望にも応えたいが、同時に自分の作りたいものを作りたいという欲求もあり、その狭間で苦しんだ
例えば、お客さんはアラカルトのようないくつか選択肢がある中から食べたいものを選ぶことを好むが、自分は今自分がベストだと思うものを提供することでお客さんに評価されたいと思っていた。

3.来店客との距離を縮めたかった
本当は寿司レストランのような、10席もないような、シェフとお客さんが近い距離にいる形態が好みだが、(売り上げを上げたい)投資家はビジネスとしてそれを許してくれなかった。

僕も一緒に仕事をしていて「この人はこだわりが本当に強い人だな」と感じることがしばしばありました。一つ一つの食材に対してしっかりと勉強し、吟味し、妥協を許さない。若くしてミシュラン星を獲得しただけあり、まさに「職人」と言えるでしょう。

次に彼が選んだ3つの食材について、ジョージ氏の声と弊社の見解を含めて紹介します。

①ごま専用メーカー「まんてん」(佐賀県)の「燻製ごま」
米国での需要は抜群 ここまで高品質な商品はなかなかない!

まんてん」は、佐賀県佐賀市に本社工場を持つごま専用のメーカー。
20年前に創業し、7年前からアメリカへの輸出を始め、ニューヨークにも進出されています。商品は「Edible Manhattan(エディブル・マンハッタン)」というフードマガジンにも掲載され、米国における知名度も上がりつつあります。

George Mendes

【シェフのコメント】
・最初に蓋を開けた瞬間から香りがすごい。腕のいいシェフならこのごまがどれだけ素晴らしいかすぐ分かる
・アメリカ社会においてごまは、タヒニをはじめ、既に様々な料理で使われているが、ここまで高品質の商品はなかなか見つからない
・ごま自体、料理の汎用性は非常に広く、白身魚に栄養を加えるのにもいいですし、肉の下味にも使える。特にこの「燻製ごま」は、それだけでスモーキーさを生み出すため、チーズケーキに使うと良いのでは?
・米国において事実とは異なりアレルギーのイメージがあるため、栄養素など正しい知識を普及させる必要もある
・手軽な食べ方として、ゴマをすってペースト状にし、そのまま食べてもいいし野菜などの付け合わせにしても良い。ビーガン食ので需要が伸びている中で、手軽に栄養を摂取できる面も良い

【弊社の見解】
ジョージ氏もお話しされたように、NYにおいてごまは人気商品です。今回のイベントに先駆けて弊社ECサイトにも商品を記載し、一般向けに販売をスタートしました。賞味期限も長く、重量も軽いため、ECサイトを活用しPRイベントへの提供を通し販売をしていくことを提案したいです。同社のタヒニ製品はNY内で売り込みを行いたい店舗がいくつかありますし、またOEMに対応可能であるならば同社の技術力を採用したい大手食品メーカーも見つかるのではと感じています。

②1870年創業の老舗「鶴味噌醸造」(福岡県)の「龍味噌」
味噌の可能性や用途を米国で広げたい

鶴味噌醸造」は1870年に福岡県柳川市で創業し、当時の味を守り続けている老舗です。今回ジョージ氏が選んだ「龍味噌」は無添加麦みそ。国の登録有形文化財に指定されている、由緒ある蔵で作られています。

George Mendes



【シェフのコメント】
・こんな高品質な味噌はなかなか出会ったことがない
・味噌というと、味噌汁だけだと思ってる米国人がまだまだ多い中で、マリネードとしての利用方法というのアメリカ人の方に見せたい
・私の料理はポルトガル料理がベースなので、魚と味噌の組み合わせを追求してみたい

【弊社の見解】
「鶴味噌」の商品にはさまざまな種類があり、辛いものを好んで食べるアメリカ人に同社の「相撲味噌」(ニンニクや唐辛子が入った味噌)も試してみたいですし、米国展開において可能性があるよう感じます。また、「アメリカ人は、歴史の長さに関して重要視しないのでは?」といういう質問をよく受けますが、長期間お客さんに受け入れられてきという観点から賞賛に値するという現地の声が多数あるので、歴史が長い企業さんはアピールすることをお薦めします。今回、ジョージ氏も「創業1870年」と聞き、良い意味でかなり驚かれていました。

③「割烹としポン酢」(長崎県)の伝統果実を使った「ゆうこうドレッシング」
柚子に続く新たな柑橘としてヒットの予感⁈

割烹としポン酢」は、長崎県長崎市の日本料理店「割烹とし」が起源。お客さんに好評だったポン酢をもっと広めよう会社を設立し、海外展開もされています。ベルギーのミシュランシェフと共同で作成したドレッシングなどもあり、ヨーロッパでは徐々に知名度を上げつつあります。ジョージ氏が選んだ「ゆうこうドレッシング」は、長崎県内でも一部の地域でしか収穫できない伝統的な柑橘「ゆうこう」を使用。

George Mendes

【シェフのコメント】
・かなり気に入った。シンプルに使って商品そのものの味を広げたい
・柚子が世界中のシェフの中で人気を高める中、「ゆうこう」は新たな柑橘として期待できる
・「ゆうこう」をそのまま食べてみたい
・日本の音柑橘類っていうのはいろんな可能性があるのでもっと紹介してほしい

【弊社の見解】
長崎の本当に一部でしか収穫できない希少性に、彼を始めるとするトップシェフは惹かれるのだと思います。日本には、デコポン、日向夏、八朔など日本でしか採れない柑橘の品種がたくさんあるので、それらを使ったエキスなどを米国で広げてみたいです。柑橘系の商品を扱ってらっしゃるメーカーさんはご連絡いただけたらと思ってます。


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