沖縄産もずくをアメリカに輸出!元商社マン社長の挑戦④


海だけではない沖縄の魅力を世界に伝えるため、その長寿を支える食文化に着目した沖縄エクスカージョンズの護得久代表。もずくを皮切りに沖縄食材を広めるにあたり、進出先としてまず選んだのはニューヨークでした。シリーズ最後の今回は、ニューヨークを選ぶメリットと、今後の目標について特集します。

健康志向が高いニューヨーカー

サラダボウルとも称されるほど、様々な人種であふれるニューヨーク。世界中から人が集まるため、食生活や食の好みも実に多様です。そんな中、傾向として明らかなのが健康に気を使っている人の多さ。ホールフーズマーケットやトレーダージョーズなど大手のオーガニックスーパーはあちこちにありますし、オーガニック野菜を使ったサラダ専門店には行列ができています。実際ベジタリアンやヴィーガンの人も多く、レストランには通常彼ら向けの肉や魚を使わないメニューが用意されています。このように健康食ニーズが非常に高いエリアなので、自然食材を売り物とする企業にはマーケットとして最適と言えるのです。しかし豆腐がベジタリアンだけでなく多くの人にすでに親しまれている一方、栄養素が高いにも関わらず海藻類はまだそれほどメジャーとは言えません。逆に考えると、もずくはこれから人気を得る余地と可能性が充分あるということです。

ニューヨークならではの効率の良さ

アメリカで新たに市民権を得るには、やはり綿密なカスタマーリサーチと、どのように顧客にアプローチするかの戦略が重要です。実はここにも、ニューヨークならではの利点があります。アメリカの他の都市部と違い、ニューヨーク特にマンハッタンの飲食店は密集しており、車で移動する必要がありません。地下鉄が発達していますし、マンハッタンは道が分かりやすい上に比較的平坦なので歩くのがあまり苦になりません。レストランなどに赴きもずくに対する意見を聞いて回るのにも、効率的で良いと護得久さんはニューヨークを選んだ理由を話してくださいました。駐在員を置ける大手企業でない限り、商談は出張ベースになりますから効率の良さは大切です。

ゆくゆくは全米各地に、そして世界へ

豆腐にラーメン、餅などは、説明がなくともその単語自体がアメリカ人に広く認識されています。護得久さんが最終的に目指すのは、もずくも同じように、名前を聞けば商品が浮かぶほど認知してもらうこと。そしていずれは英語圏に限らずヨーロッパ諸国などにも、もずくを代表とする沖縄の健康的な食文化を伝えることを目標にしていらっしゃいます。沖縄にいて外国人観光客を受け身で待ち続けるよりも、自ら海外に出て魅力を発信しようと取り組んでいるのです。

4回のシリーズでお届けした護得久さんの海外進出実例、いかがでしたか?沖縄の魅力を世界的な視野で客観的に見つめなおし、戦略商品としてもずくを選ぶ合理性は誰にとっても納得感が高いものではないかと思います。今後はRESOBOXのニューヨーク既存店補を使って実際にアメリカ人のお客様に様々なもずく料理を提供するテストマーケティングがスタートします。護得久さんの挑戦はまだ始まったばかりですので、今後もその進捗をレポートさせて頂きたいと思います。

取材協力:沖縄エクスカージョンズ株式会社 オフィシャルサイトはこちら

●「株式会社RESOBOX」は、日本文化と多文化が響き合い、新たな文化を創出するスペースをNY市内で展開しております。日本文化を核にしたパフォーマンスをアメリカで披露したいとお考えの方はご相談ください。また、上記のような文化事業に加え、海外進出支援サービスも行っております。マーケティングリサーチやイベント出店、米国に合わせた商品開発に関する相談はもちろん、NY在住のアーティストとのコラボレーション企画などもご提案できます。興味がある方はHPをご覧ください→ https://resocreate.com 。問い合わせはhttps://resocreate.com/contact/まで、気軽にお寄せください。

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