【アメリカ人に伝わらない】天然素材への思い入れ


やおよろずの神やわびさびに代表される、日本人の自然を尊敬し愛する心。また環境保護の観点が出てくるずっと前から、自然から作られた物を大切にするという信念は脈々と受け継がれてきました。天然のものこそ素晴らしいという信念は、世界共通なのでしょうか?

日本人は自然素材をありがたく思う

世代や個人にもよりますが、日本人はより自然に近いものを愛する傾向にあります。天然素材と聞くと、人工的に作られたものよりもありがたい気持ちになるものです。実際に伝統工芸品の多くは、樹木や清流など日本古来からある希少な天然の素材を使用しています。しかし一方、この感覚はアメリカ人には伝わりづらいという難点があります。日本人が情緒を大切にするのに対し、欧米人の多くは合理性を大切にするからです。

素材の歴史に価値を感じる私たち

例えば、樹齢数百年をこえる木を使った工芸品があるとしましょう。日本人はその素材を聞いただけで価値を感じるだけでなく、高い技術力で丁寧に作られているであろうことを期待します。素材の価値がそのまま商品の価値になるのです。歴史があり選りすぐられた素材をありがたいと感じ、大切な人への贈り物にしたり、自分で使うなら長く丁寧に使おうと思うでしょう。

アメリカ人にとっての伝統工芸品の価値は何か?

ところがアメリカ人に対して、「この商品はとても貴重で歴史ある樹木を使っているから価値が高い」と言っても、よほど高級品を見慣れた人でない限りうまく伝わらない可能性があります。使用時のメリットが見えてこないからです。それでは何をウリにするべきなのでしょうか?こちらの記事でも述べたように、アメリカ人は情緒よりメリット。例えば和紙なら、いかにきれいな水を使い、時間をかけて丁寧に作られたかよりも、透過性が何%で、どれほど耐久性があり、どのような用途に最適かを説明したほうがよほどイメージがわくのです。

客観的なメリットにこだわること

最近では日本人ならではの自然への愛着を理解しようとしてくれる欧米人も増えてきています。しかし「希少な天然素材を使っていればそれだけで価値がある」と思い込むのは少々危険です。これまでの価値基準をいったん捨てて、アメリカ人にとっての商品価値は何なのか、実際にヒアリングするといいですね。