−日本ミニチュアフード協会代表・野津礼奈さん編− ①趣味が高じて協会を設立


海外で挑戦するアーティストや企業担当者をRESOBOXスタッフがインタビューし、経験談やアドバイスを語っていただく「海外挑戦者インタビュー」シリーズ。第五回目は、樹脂粘土などで作る「ミニチュアフード」の魅力の普及に取り組む「日本ミニチュアフード協会」代表・野津礼奈さんです。活動の幅は日本に留まらず、台湾、フランス、アメリカ…と、拡大中。小さくてキュートな日本の文化が、世界で大きく広がりつつあります。

Q1・そもそもミニチュアフードとは? 

A・食べ物を樹脂粘土で表現 小さなオブジェ 

食品を模した、指先サイズの小さなオブジェです。材料は基本的に樹脂粘土、石粉粘土、パン粘土、レジンなど。原点は、20世紀初頭にイギリスで発祥した建物の模型。ただし、食べ物を表現するスタイルは日本発祥だと言われています。
国内外に多くのアーティストが存在し、本物そっくりに作る作家さんや、アニメのようにポップに仕上げる方など、作風は人それぞれ。私を含む、日本ミニチュアフード協会のメンバーは、本物に近いけど、ちょっぴりポップで可愛く仕上げる人が多いです。

Q2・出合いと、作り始めたきっかけを教えてください

A・小学生の時からファン 社会人になって制作をスタート 

小学生の時に小さな「とんかつ定食」のストラップに一目惚れ。購入したことがきっかけで好きになりました。値段は1個800円。当時の私にとって高価でしたが、1時間以上悩んだ末に購入したことを覚えています。今考えると、あのストラップは、ろうそくの「ろう」や合成樹脂で料理を本物そっくりに再現する「食品サンプル」だったのかもしれません。その後も気付けば小さくて可愛いものを集めていました。
転機が訪れたのは会社員として働き始めた2009年ごろです。当時、ブログで自分を発信することが流行っていて、ネットを介してミニチュアフードを作っている人を発見し、「専門家じゃなくても作れるんだ!」と衝撃を受けました。
そこで、すぐに画材やデザイン用品が豊富に揃う「世界堂」(東京)に出掛け、樹脂粘土を購入。小学生時代の絵の具を引っ張り出し、見よう見まねで苺タルトを作りました。驚くほど上手く完成し、「これは売れる!」と思ったんです。我流にも関わらず、すごい自信ですよね(笑)。しかし、思い立ったら行動したくなる私。直ぐにホームページを立ち上げ、商品を売り始めました。

Q3・趣味から仕事になった経緯は?

A・かき氷のストラップが好評! 立て続けにコラボの依頼 

最初にHPで売り始めたミニチュアフードは、親指サイズの「たこ焼き器(たこ焼き入り)」。初めての商品でこのチョイスだと「ひょっとして関西人?」と聞かれることもあるのですが、全くそうではないんです。理由は単純で、当時ダイエット中だったため、どうしても食べたかったから(笑)。その後、イヤリングやキーフォルダー、携帯ケースなどを作ってはHPで販売し続けました。
そんなある日、友人から「かき氷店をオープンするので、コラボレーションしない?」と声を掛けてもらい、店頭に並ぶ商品を模ったストラップを作成。販売することにしました。これが大好評! 当時、会社員として働いていたため、1週間に10個程度作るのが限界だったのですが、店に出すたび直ぐ完売の繰り返しで…。大変でしたが嬉しかったです。その後、さまざまなお店からコラボレーションの依頼が舞い込むようになりました。
「これは一人ではこなしきれない」。大好きなミニチュアフードを普及できるチャンスを断念するのも辛くて、仲間が集う協会を作ろうと決意。2012年に友人のサロンで毎月1回のレッスンを開くことから「仲間作りの活動」をスタートしました。そして、2014年4月に勤めていた会社を辞め、日本ミニチュアフード協会を設立しました。

<編集後記>自分が感じるままに、躊躇なく前進する野津さん。インタビュー中も、そのパワフルな人柄に元気を頂きました。また、もともと読者モデルをされていたこともあり、とてもお美しい方なのですが、作られる作品が「たこ焼き」だったり「和風定食」「お好み焼き」などと、ちょっぴり渋め!(笑)このセンスも素敵です! 次回は協会を立ち上げられて、世界へ向けて挑戦した経緯をお伝えします。

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【教えてくれた人】日本ミニチュアフード協会 代表・野津礼奈さん
のづ・れいな 東京都生まれ。2014年4月、日本ミニチュアフード協会を立ち上げる。現在、協会として日本と台湾に27のクラスを開講中。生徒数は延べ1822人(2019年1月)。パリやニューヨークで、展示販売やワークショップも開催。
日本ミニチュアフード協会HP 

●「株式会社RESOBOX」は、日本文化と多文化が響き合い、新たな文化を創出するスペースをNY市内で展開しております。日本文化を核にしたパフォーマンスをアメリカで披露したいとお考えの方はご相談ください。また、上記のような文化事業に加え、海外進出支援サービスも行っております。マーケティングリサーチやイベント出店、米国に合わせた商品開発に関する相談はもちろん、NY在住のアーティストとのコラボレーション企画などもご提案できます。興味がある方はHPをご覧ください問い合わせは、気軽にお寄せください

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